in english in japanese »  HOME » Conference » BBS » [kanreichikei:191] 氷河横ティル #
Contents
[kanreichikei:191] 氷河横ティル # 会議室:「Glacier BBS」

[kanreichikei:191] 氷河横ティル #

[kanreichikei:191] 氷河横ティルからの続き


岩田修二 さんからのコメント
(Date: Fri, 27 Oct 2000 12:26:47 +0900)

寒冷地形の皆様
澤柿さま.

> 藤田・山口両君から,氷河地形屋に「比較氷河」への
> 参加呼びかけを依頼されましたので,早速ご案内する次第です.

 「氷河の運動メカニズムと氷河堆積物」をメインテーマにして「比較氷河研究会」と
「地理学会・氷河作用研究グループ」と共催にするのがよいと思います.一泊でやり
ましょう


澤柿教伸 さんからのコメント
(Date: Fri, 27 Oct 2000 12:43:03 +0900)

寒冷地形の皆様
澤柿です.

さきほど書き忘れましたが,大気水圏科学研究所の予算から、研究会の旅費が出せる
可能性があるそうで,特に理由がなければ名古屋で開催したいとのことでした.

だいたいの人数・旅費を試算・申請する必要があるので、参加の意思確認をしたいと
いうことなので,参加を希望される方は早めに下記まで返事を下さい.


名大・藤田


松元 高峰 さんからのコメント
( Date: Fri, 27 Oct 2000 13:07:30 +0900)

寒冷地形MLのみなさま

北大低温研D3の松元と申します。
地形学の教育は受けたものの、その後は回りまわって、現在氷河水文学を専門にして
おります。

さて、
> 丁度ここ数日の間に,名大水圏の藤田君や北大低温の山口君など,氷
> 河の流動を専門とする若手から,そろそろ次の「比較氷河研究会」をやろう,という
> 声があがっていたところです.
> 彼ら「氷河やさん」も,(ようやく?)このごろ,氷河底面の地質学的プロセスに興
> 味を持ち始めたようで,まことに喜ばしいことです(これは白岩さんはじめ東大の青
> 木君や私がさんざん吹き込んだ結果ともいえるのですが...).もし開催するとし
> たら,「氷河の運動メカニズムと堆積物」をメインテーマにするのがいいのではない
> でしょうか.

岩田先生や白岩さんほどのレベルではありませんが、私も地形(地理)学と雪氷(地
球物理)学との両方に接しているために、両陣営の対決をしばしば目撃しますし、お
互いの言っていることが分からない場合には通訳、もしくは悪口の聞き役を仰せつか
っております。とくにここ数年フィールドにしているカムチャツカの氷河では、毎回
現場で両陣営の対決が行われ、とても楽しみに思っているところです。今夏には、澤
柿さんのメールにある低温研の山口(同じ研究室の同期)と青木さんとが熱くやりあ
っており、いよいよ両陣営が本格的に相まみえるべきだとの感を強くしました。

そういうわけで、澤柿さん御提案の企画、是非とも多くの地形関係者に御参加いただ
いて行われることを強く希望します。これまで一対一の議論や、「たくさんの地形屋
の中にぽつんと氷河屋」もしくはその逆、というパターンは何度も見てきたのですが
、そろそろ全面的に広く対決、というか議論して欲しいのです。ちょっとした機会で
は、なかなか両者の間に根深く横たわる「溝」は埋まらないように思います。氷河屋
が「このごろ,氷河底面の地質学的プロセスに興味を持ち始めた」のは事実だと思い
ますが、まだほとんどの場合「理解し始めている」というところまで行っていないん
じゃないでしょうか。お互いの考え方・発想の根本からぶつかるような会にならない
かなあと、ひそかに期待するものです。

「(氷河)地形学ってさあ、科学じゃないよね・・・」と口走った氷河屋、雪氷屋は
私の知る限りででも一人や二人ではなかったということを申し添えて、上記企画への
多くの御参加を期待させていただきます。

*まだ比較氷河研究会開催が決定しているわけでもないのに、気が早くて申し訳あり
ません・・・。


白岩孝行 さんからのコメント
(Date: Fri, 27 Oct 2000 09:58:33 +0200)

寒冷地形の皆様

何度もお騒がせしております。白岩です。
氷河横ティルの議論が比較氷河研究会に発展しそうでうれしいです。今年度中の開催となると参加はできませんが、成功することを祈っています。

地形(地質)と氷河という二つの境界領域の話しが松元さんから出ましたので、つい昨日こちらのゼミで聞いた、G.S.Boutonさんの話しを紹介しておきます。氷河地形・地質の方は既にのご存じと思いますが、Boultonさんは1970年代からこの境界を切り開いてきたパイオニアで、Boulton and Hindmarsh (1987) Sediment deformation beneath glaciers:rheology and geological consequences. JGR, 92, 9059-9082は、最近の氷河屋さんの堆積物ブームを生み出したEpock Makingな論文として、Citation Indexで常のトップを走っています。

さて、昨日のタイトルは、
「Subglacial groundwater flow and geochemical and mechanical effects」。
最初に彼の古巣のフィールドであるアイスランドのブレイダメルクル氷河の末端付近において、多点ボーリングによる水頭圧の季節変化の測定から、氷河内とその底にある層厚20-100mの融氷河成堆積物内のequipotential surfaceを計算し、ポーラスな堆積物がある場合、氷河底水路には、氷河内からというよりも融氷河成堆積物内から水が供給されていることを明らかにしました。つまり、上から水が来るのではなく、下の堆積物内を通って地下水が上昇してきて氷河底の水路を涵養しているイメージ。そして、その季節変動によって堆積物が堆積していく様子(つまりエスカーの形成)や、流路の空間パターンがどう発達していくかというモデリングを行いました。

次いで、話しはスカンジナビアと北ヨーロッパの地図へ。そこには、エスカーの分布が示されておりました。つまり、彼はアイスランドの観測とモデルをスカンジナビア氷床の底面での底面水路とエスカーの発達へと発展させようとしているようでした。アイスランドを基にした底面水路とエスカーの発達に関する基本的なモデルは既にできているようでしたが、スカンジナビアのほうはこれからのようです。

彼のスゴイのはここから。通常のモデル屋さんはここで適当な仮定をして、スカンジナビアのモデルを作ってしまうと思うのですが、彼は自分の仮説(つまり堆積物の下から水が上昇してきて底面水路を涵養し、それがエスカーを作る)を証明するため、フィンランドをフィールドに堆積物中の水の動きを示す地質学的証拠を探すのです。そして、それは、まさに水の上昇を示すごとくうねうねと伸びるCalciteだったかCalcium Carbonateでコーティングされた水路条の形を示す堆積物によって各地に見いだされました。地下水やこれらの堆積物の酸素同位体の測定から時代の検討もしています。今も各地で証拠を集めているようです。

会場にはスイスの著名な氷河学者(地質屋さんはあまりいなかった?)のほとんどが来ており、Roethlisber Channel(つまりエスカーの外径を作る氷河底のトンネル)に名を残すH.Roethlisbergerさんと彼のやりとりなど大変楽しめました。沢山の人が彼を囲んだので、個人的な質問等はできませんでしたが、勉強になりました。

いやー、やっぱりBoultonはスゴイ。比較氷河を名大でやるなら、彼やRoger LeB. Hookeなど境界領域で活躍している研究者を招聘して基調講演でもしてもらったらどうでしょうか?感銘しますよ。


前
[kanreichikei:191] 氷河横ティル
カテゴリートップ
BBS
次
氷河屋vs地形屋

Copyright © 2000-2021 Study Group on Quaternary Glaciation in Japan