「日本列島の氷河地形の問題点をさぐる」
(2000年4月発足)
氷河作用研究における日本の研究者間の相互理解・進展のためにイニシアチブをとることを目指しています.
Publications |
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Periglacial Geomorphology at the Beginning of the 21st Century
Tokyo, Japan, 25 August 2001
Geomorphology Volume 52, Issues 1-2 (30 May 2003) |
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Glaciation and Periglacial in Asian High Mountains
Proceedings of the 5th International Conference on Geomorphology, Tokyo, Japan, August 23 to 28, 2001
Zeitschrift fuer Geomorphologie, Supplement Band 130 (2003) |
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特集「アジアの山岳氷河と山岳永久凍土」
地学雑誌 VOL.111 No. 4 (2002)
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INQUA Commission on Glaciation: Work Group: Extent and Chronology of Glaciations Vol. III (Asia, Latin America, Africa, Australasia, Antarctica) |
研究グループ発足の趣旨 |
グループ名: |
「氷河作用研究グループ」 |
発起人: |
平川一臣(代表) 岩田修二・白岩孝行・青木賢人 長谷川裕彦・澤柿教伸
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連絡先: |
平川一臣 〒060-0810 札幌市北区北10西5 北海道大学大学院地球環境科学研究科 Tel/Fax: 011-706-2210
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目的:
現存する氷河、氷床の氷底〜氷河縁辺の調査・研究は1970年代以降、とくに1980年代を通じて著しく進んだ.それらの知見を取り込みつつ、過去(氷期)の氷河作用(氷河地形、氷河地質)の理解も急速に深まっている.
これに対して氷河のない日本では、氷河地形・氷河地質の研究はほぼ地理学会および第四紀学会に所属する地形研究者に委ねられてきた.1970 年代には日本アルプスや日高山脈において一定の成果が得られたが、それ以降の研究は活発であるとは言えない.しかし、研究者についても、研究地域についても限られてはいるものの、いくつかの重要な研究が行われてきた.さらに、カムチャツカ・シベリアなど極東の氷河調査の経験から、氷河周辺の堆積物をとおして日本の氷期の氷河を想像・解釈し、復元する試みもなされつつある.
このような当該研究の背景のなかで、とくに最近の数年間において日本の氷河作用研究の機運は少しづつ高まり、関係者の研究会などにおいて新しい見解や重要な野外での記載・解釈が紹介されるようになった.本学会の2000年春季学術大会において、シンポジウム「日本列島の氷河地形の問題点を探る」が次代を担う若手研究者を中心として組織されたのもその潮流のひとつである.今後、この流れをうけて日本の氷河作用の研究を発展させるためには、国際的・学際的な研究の進展を充分に理解し、室内においても、野外においても共通認識に立つことが重要である.以上のような状況を考慮し、本研究グループ発足を申請することとした.
この研究グループでは、以下の活動をおこなう.
- 氷河作用に関する共通認識を得るために、先行研究のレビューをおこなう.
- 参加メンバーの研究において得られた重要な現象の記載・解釈の紹介・検討をおこなう.
- 重要な現象(地形・露頭)については、現地で観察・検討をおこなう.
- 氷期の日本の氷河像を探る上で参考となる現存氷河(海外)を選定し,研究課題の洗い出しを行う.
予想される参加者数:20 人前後
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